研究室選びに迷ってるなら(有機化学系の利点・欠点)

 

 

 

はじめまして。

有機系の研究室(ラボ)に配属されて、早3年が経ちました。

研究室選び・決め方で困っている・悩んでるなら、この記事を読んで欲しいと思います。

僕は、臨床系、生物系、物理系、化学系の全ての研究室を見学した結果、有機系を希望しました。

なぜなら、以下の内容からです。

今悩んでいる3(4)年生には、ぜひ悩みぬいて決めてほしいです。

 

それでは、有機系のメリットデメリット将来性について、書いていきたいと思います。

 

 

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メリット

 

体力・精神力がつく

 

時間労力を必要とする作業が多い。

例えば、カラム精製では、1kgのシリカゲルで行う場合もあり、かなり体力がいる。

 

 

 

並行作業 可能なので、忙しくしようと思えば、いくらでもできる。

反応かける、精製(クエンチ、抽出、カラム)、分析、解析、ディスカッション(議論)、反応のサーチ、新規反応の探索、勉強、、、

 

 

 

・反応が予想通り終わらないことが多々。

タイムスケジュールを組みずらい。

仕方なく夜中まで残ることに。

(こちらは、実験の数をこなせば、ある程度回避可能。。。笑)

 

 

 

・深夜0時まで残って、研究する雰囲気。

ラボによりますが、平均 9時〜23時です。

メンバーの3〜4割は0時まで残ってる。

教授も残ってる。 

   

 

 

 

 

 

学べる環境が整っている場合が多い

 

 

・教授陣が手厚いご指導をされることが多い。

→教授とディスカッションを行う頻度が

打ち負かされたり、理不尽なことを言われる機会が多く、精神力がつくことに繋がる。

また、論理的思考力が付きます。

 

さらに、土曜に勉強会を開催してくれるラボがほとんど。

(そうでなければ、かなりホワイト?平日も休日も有機)

 

 

 

 

・勉強することが多く、知識・技術 習得のオンパレード。

昔から、かなり研究されてきた分野だからか?

外部で勉強できる環境も整っている。

多くの参考書やネット(「ケムステ」や「たゆたえども沈まず」) 在り。

 

 

 

・合成手法だけではなく、分析手法も学べる。

これは一個上と少し、被ります。

有機化合物を合成すると次は分析・解析をします。

 

結果、核磁気共鳴測定器(NMR)、赤外吸収分析(IR)、旋光度測定器、質量分析装置、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の分析機器が扱えるようになれます。

また、DFT計算などの解析手法もある程度学べます。

 

他にも、X線結晶解析、蛍光X線(XRF)、粉体X線解析(XRD)を使用する研究分野も存在します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

受け皿が多い.........ニートになれない??

身の回りのモノ全ては、有機化学の技術で、できていると言っても間違いではないぐらい。

 

そのため、就職先が多種多様に存在する。

 

 

 

・民間企業

製薬、化学、化粧品、食品、日用品メーカーの研究・事務などなど

それだけではなく、化学薬品の売買があったり、研究分野が盛んなため、文系の商社や、雑誌系の企業でも欲しがられる人材。

 

 

 

・国の機関。    

大学、麻薬取り締まり、PMDA、環境測定士などなど

 

 

 

 

 

 

まとめ(メリット)

 

体力・精神力がつくことで、働いても辛くない、余裕だ!!ってなります。

きつい研究室(ラボ)生活を、仲間と一緒に耐え抜くので、素晴らしい関係を築くことができます。

実際に、僕はこれからも付き合っていく同期や先輩、後輩との絆が生まれました。

他の大学の人とも!笑

 

これらより、40年以上の社会人生活が、充実させられる力がつきます!!

 

 特に、複雑な天然物を合成する全合成研究は、おススメです!

 

 

以上、今回は主要なメリット(良い点)を記載しました。

もっとあるとは思いますが、一研究者になるための、資質が身に付きやすいのかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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デメリット

 

3K(きつい、汚い、危険)

 有機系と言えば、これが有名ですね。笑

 

 きつい:

  体力が必要な実験。

   かなり発展が進んだ分野であり、覚えることが多い。

   教授陣が体育会基質。(なぜなんだろう。。。)

 

 汚い:

  化学物質の中には、臭いモノ、色がつくモノがある。

   精製時のシリカゲルが散乱しやすい。

 

危険:

  爆発、発火、死亡に繋がる化学物質を使用する。 

   これは有機系に限らず、生物、物理、臨床系にも当てはまります。

 

 

 

 

 

 

トライ・アンド・エラー(Try and Error)が意外にも多い

研究と言えば、論理的に実験を行い、素晴らしい結論に導くイメージだと思います。

 

しかし、実際はTry and Errorが必要な時があります。(有機系に限らず)

 

 

中でも、有機系は反応をかけることが簡単なので、マンパワーで行うことが多い

「何のために実験・研究を行うのか見失う」時期に出会いやすい。(やるだけなら、誰でもできる。。。)

 

↓↓

これは、精神力の向上に繋がります。

僕は 正直きつい時期、ありました。。。ほんとにきつかった笑

 

 

 

 

 

 

 

基礎中の基礎研究ならではの、モチベーション維持が困難

 

有機系研究は、直接的に「何かの役に立つ」という結果になりずらい学問。

新規反応の開発 や 新規物質の合成ができたとしても、

貢献が目に見えずらいので、「何故、研究をしているのか?」という考えに至ってしまいます。

 

逆に、薬理では、「この化合物を打てば、マウスのある病気が治った!!」や

生物では、「この働きを阻害できれば、こういう薬ができる!!」など

 

 

これは、いくらでも解決策がありますが。自分なりの軸ができるまでは、大変かもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

今までの勢いがとまった?

これは、人によって意見が異なるような。。。笑

製薬企業は、抗体、バイオ医薬品へとシフトし、細胞医療、テーラーメイド医療、IT医療へと変遷していく、、、というより、選択肢が増えるだけです。

 となると、有機系の低分子(中分子)は、この状態をキープすると思います。

 

確かに、他の分野が参入してくるので、今までの勢いは止まります。

 

が、なくならないと思います。(低分子に戻ってくる某大手製薬企業もあるとか。。。)

 

モダリティーが増えるだけで、低分子のメリットの多さを考えれば、なくなりません。と思います。

(計算科学者は、企業から人気な印象はあります。2020年前後の就職者ですが、そう感じました)

 

この辺りは、もっと自分で調べれば、出てくると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まとめ(デメリット)

 

デメリット?のように書きましたが、モノは捉え方次第です。メリットに変わりうると思います。

化学は、楽しい面白い学問領域ですよ~~~!!

以上、デメリットについてだらだら書きました。

「したい!!!」研究分野が見つかったり、

「こうなりたい!!」研究者と出会いがあることを願っています。

 

研究室選びは、今後を悩むいい機会だと思います。思う存分、悩んで結論を出してください。

 

 

 

 

 

 

より詳しく知りたいなら

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化学業界の今後の動向が、詳しく書かれています。世界的な流れ、日本での流れ。そして、企業ごとの将来性や注力分野について、詳しく書いてありました。

 

 

 有機合成系の研究室を選ぶのであれば、ぜひ必読して欲しい本。実験の手技だけではなく、実験上の危険な事例なども踏まえてあります。うちの研究室にもあり、教授から読まされました。

 

 

言わずと知れた名書です。有機合成系の大学院生なら必読です。某T大学では、学部生の頃から使用します。研究室に入る前、入った後で読んでください。 

 

 

 

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将来性・就職先

 

okayamanda.hatenablog.com

 ↑こちらで説明しています。